内観とは
内観とは、身近な人々(母または母親代わりに育ててくれた人、父、配偶者など)に対する自分を見つめるために、
①お世話になったこと
②して返したこと
③ご迷惑かけたこと
について、具体的な事実を過去から現在まで調べる方法です。
内観は新しい自己を発見し、人生をリフレッシュする自己啓発の方法として役立っています。
さらに非行、不登校、夫婦の不和、うつ状態、アルコール依存など心のトラブルに対する心理療法としての価値が認められています。
現在、日本各地やヨーロッパに内観研修所が開かれ、一週間の研修の世話をしています。
また一日内観や家庭、学校で行う記録内観などいろいろな形態の内観が開発され、内観法は新たな展開を見せています。
道のうた
吉本伊信が最深の内観者と賞賛したのが、義理の母親である森川りうです。 つまり内観のめざすところは彼女の生き様でした。
りうはNHK教育テレビの「女人成仏」と題した番組に出演したほどの妙好人でした。
その家系は熱心な浄土真宗の信者であり、一族は身調べで修行を続けていました。
道のうたは、りうが亡くなったあと、遺品整理中に偶然発見された雑記帳に書かれていました。
「このうたは、死後発見された雑記帳に書き残されていました。これは義母の四十年間の内観体験からにじみ出た涙の結晶と言えるかも知れません」と、内観の創始者吉本伊信師は述懐していました。
* 妙好人……行状の立派な念仏者。特に浄土真宗で篤信の信者のこと